缶サット甲子園とは?



はじめに

 子どもの理科離れと共に若者の工学離れは深刻であ
り,
科学技術創造立国日本を支える人材育成が危惧さ
れている.
先にOECDにより実施された国際学習到達度
調査(PISA)
によると,日本の学力は概ね横這いである
ものの,
科学への興味・関心が参加国中最低であるこ
とが判明している.
一方,東京都の「学習に関する意
識調査(H23)」によると,
小学5年生の9割,中学2年
生の7割は理科が楽しい,
分かるとしているが,高校で
は3割に低下してしまう,
このように深刻化する「理科離れ」に対し早期に対
策を行い,
理工系人材育成を進めることが重要な課題
となっており,
大学,学会,地方自治体,一般企業等
による各種の理科教室や
ものづくり教室等が全国で開
催されるようになってきた.
しかし,そのほとんどが
小中学生を対象としたものであり,
将来の進路選択を
する大切な時期にある高校生を対象とした
プログラム
は少ないのが現状である.

教育理念

 日本の学校教育の特徴は,知識の習得を主眼とする
教育が中心で,それを活用する実践的な教育が不足し
ており,生徒が主体性を持って学んでいないという点
である.これは小学校から大学まで日本の学校教育に
共通した問題点である,試行錯誤しながら失敗に学び
学生・生徒が創意工夫して成長するためには,単なる
工作やマニュアルに従ったものづくりではなく,「プロ
ジェクト遂行体験」による実践的な教育が有効である.
本事業は,筆者が提唱する「プロジェクト遂行型実
践教育」という教育理念の下,ハイブリッドロケット
や缶サットの製作・打上を課題として取り上げ,高度
なプロジェクトを達成するためにはどうすればよいか,
生徒自身が問題点を発見し仲間と協力して問題解決に
挑むことにより,計画力,問題発見・解決能力,コミ
ュニケーション能力等のプロジェクト遂行力を育成し,
理工系の楽しさ,すばらしさを実感して宇宙や科学技
術への興味・関心を促進しようとする教育プログラム
である.